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時間というものは過ぎ去っていくものである。しかし、あなたは、あなたの将来を、また周囲の人々の将来を心に描くことができる。
こうしたことを、いつも考えることにより、あなたの将来は、はっきりとしてくるのである。時間については大切なことがある。それは計り方である。
時間を計るには、二つの方法がある。 一つはあなたが経験してきたことの数で計る方法であり、いま一つは、その経験の深さで計る方法である。
例えば、Aは一生のうちにある経験を重ね、Bは一生のうちにその倍の経験を重ねたとすると、BはAの2倍の人生を送ったことになり、長生きしたのと同じことになる。
普通の人は、一生に経験できることには限界がある。10年会社で働いた、10年商売をやったという言い方があるが、それはただ同じ経験の10回の繰り返しに過ぎない。
これでは何の変化もない人生となり、その人自身も向上のないくだらない人間になってしまう。人問は、いろいろなことを経験する必要があり、自分の過去の経験に基づき、物事を判断することもできる。
過去の経験というものは大切であるが、自分の経験だけに頼り、物事を判断するのは、くだらない人問のすることである。
人生をより豊かにするための、いろいろな決定ができるだけの経験を一人で持つことは不可能である。自分の過去の経験にのみ頼る人々は、視野が狭くなり、人並み以下の人生しか送れない、本当にかわいそうな |
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人々である。
例え結婚したとしても、食っていくのが精一杯で、いつも金のことばかり心配していては、失敗者として一生終ってしまう。
こんな現状に満足していると言うのなら、それは大間違いだ。だから、あなたの人生が苦労の連続で終るか、楽しく生きがいのあるものになるか、しっかり考えなければならない。
多くの人々は失敗を怖れて、将来に目を向けようとしないのである。現在も、また、過去も失敗をする人がいるのは当然のことである。
しかし、失敗そのものは何も恥じることはないのだ。決心が間違ったこと自体は恥ずべきことではないのだ。
完壁な人間などいない。 人間、一度や二度は間違うものである。一番恥ずかしいことは、その失敗の責任を自分で取らず、他人のせいにすること、これは人間として最も恥ずべきことである。
「私が間違っていた。しかし、同じ失敗を二度と繰り返すまい。」と自分自身にはっきり言えるだけの勇気を持つことが必要だ。
自分の失敗を認めたら、失敗したことを後悔せずに、事態をどのように解決すべきかを、前向きに考えるべきだ。済んだことは仕方がないのである。
全力を投じて解決策を考えることだ。これはこのコースの中でも最も大切なことの一つである。
過去にこだわることなく、精神を将来に集中し、前進することが大切だ。
あなたの日常生活の中に、本当に価値のある経験を増やしていくように心がけるべきだ。 |
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そして前向きに生きる努力をするべきである。 そのためにも積極的な考え方を身につけることが大切なのである。
人間は、その人の考え方によって、すべてが決まってくるので、正しい考え方をもつことが大変重要になってくる。
その人の考え方次第で、どんな話し方をするか、どんな態度を取るか、どれ位の収入を得るか、また、握手の仕方、歩き方、表情などすべてが変わってくる。
人間は、その人が持つ考え方により造られるので、常にどのような考え方をするかが大切になってくる。だから、大切なことは、積極的、建設的な考え方のみを極めて慎重に選ぶことが重要なこととなるのである。
このような考え方がいつもできるように、あなたの精神を正しく導く、訓練を意識的に行なうことが極めて大切なのである。
あなたの持つ考え方と、それによって造られる人生との関係を映画のフィルムと映像に例えてみよう。これですばらしい映画を見ることができるのだ。
ところが写しだされる映像はさまざまである。キズのある見にくい映像もあれば、きれいな映像もある。
いわば人の心は映写機でそこから写し出されるのが人生という映像である。
心の映写機にあなたの考え方というフィルムを入れて、そこから写し出されるのがあなたの人生という映像なのだ。
あなたは、どんなフィルムをこの映写機に入れるのだろうか。これには二つの場合がある。一つはキズの入ったフィルムだ。これは |
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人生に対する消極的な考え方である。もう一つは新しいきれいなフィルムである。すなわち人生に対する積極的な考え方である。
だれでもこの二つの考え方というフィルムから選ぶことができる。キズの入ったフィルムを選び、消極的な考え方を身につけることもできれば、新しいきれいなフィルムを選んで、積極的な考え方を身につけることもできる。
あなたは、どんな人生の映像を写し出したいのか。どのように人から見られ、どんな行動をしたいのか。どれ位の収入を得て、どんな生活をしたいのか。
このようにして、あなたが希望する人生を明確にすることが大切だ。そうすることで常にそれに従い、具体的にあなたの考えを拡げていくことができる。
貧しい生活を送ることはたやすい。多くの人々は消極的な考え方を無意識のうちに身に付けている。
少しでもフィルムにキズがつくと、そのキズがもとで、フィルムは映写機に巻き込まれるか、そこから切れるかして、全部が台なしになってしまう。
少しばかり悪い物があるために、全部がだめになる場合が多い。
例えば、どんな高級車であろうと、どんな上質のオイルを使用していようとも、また、どんなに値段の高いガソリンを使っていようとも、ぼんの少し燃料タンクのガソリンに砂を入れてやれば、その高級車は壊れてしまう。
あなたの人生も同じなのだ。だから自分の人生にどんなフィルムを入れるかしっかりと選ばなければなら |
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ない。入れる物を間違うと、結果も間違ってくる。 ほんの少しでも消極的な考え方を人生に入れると、成功する確率まで低くなる。入れる物によっては人の欲望を失わせるもの、決心をくじく物、意欲を失くさせる物など、いろいろある。
コーヒーに青酸カリをほんの少し入れれば、人間は死ぬのだ。砂糖やミルクは、どれだけ入れても大丈夫だが、青酸カリは、ほんの少しで命取りになる。
すなわち問題は入れるものの量ではなく、質なのである。
あなたの敵がコーヒーに砂糖を入れても、問題ではない。 ところが、あなたの親友が誤って青酸カリを少しでも入れたら、あなたは死んでしまう。誰が入れたのか、どういう理由で入れたのかは問題ではない。
とにかく悪い材料が入ってくると、あなたの将来は大打撃を受けるのである。だから、常に前向きな、積極的な考え方ができるようにする事が大切なのだ。
ところが、そういう事を心がけ、実行している人は少ない。まず、朝、会社へ行って、昨日の失敗談を、お茶でも飲みながら、話し始める人が、あなたの職場にもいるであろう。
あなたの友人は朝から、あなたの頭に、マイナス的な考え方を詰め込んでいるのだ。しかし、あなたは夢中でそのマイナスを頭の中に詰め込み、あげくのはてに、白分の失敗談まで話し出す。
朝のスタートの大切な時間を、くだらない後話でつぶしてしまっているのだ。くだらない話をしたがるのが、人間の本能である。
このような人は、正しい考え方の習慣が身についていない人であり、精神の修養がで |
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きていない人である。マイナス的な考え方しかできない習慣を持っているということには、2つの短所がある。
第一に、時間の浪費である。そして、第二にやる気がなくなるのである。これでは成功するはずがない。では一体どのようにすれば、正しい考え方の習慣を身に付けることができるのだろう。
まず第一に、マイナス思考を一掃することである。マイナス的な考え方を受け付けないことである。毒というレッテルが貼ってある器に注いであるコーヒーは、だれも絶対に飲まない。
あなたの恋人が、それを持ってきたとしても、あなたは飲むはずがない。
すなわち、誰があなたに毒を飲ませようとしているかは、間題ではない。
どんな人があなたにマイナス的、否定的な話を押しつけてきても、それを決して受けつけてはならない。
自分から拒否するか、急いでその場を立ち去ることである。できるだけ丁寧に返答する方が良いが、決して誘惑に負けてはならない。
極力、その場から立ち去ることが大切だ。マイ ナス的な話に加わってはならない。マイナス的な考え方を避ける最良の方法は、まず、あなたがマイナス的な話をしないことである。
朝、仕事を始める前に新聞を読む人が大変多い。確かに新聞を読むことは良いことである。
しかし新聞記事の中には、殺人・事故・火事・地震・内乱・戦争等、読む人にマイナス的な影響を与えるものが多い。これらの記事で頭の中をいっぱいにして、一日のスタートをきる。
これではやる気は起こらず、いい仕事ができる |
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はずがない。だから、朝読む物には十分注意するべきだ。 一日のスタートは、積極的に始めなければならない。そうすることにより、収入を増やすだけの価値ある仕事もできるようになる。
人間の考え方は、その人の読む本に影響されることが多い。だから、つまらない本を読んで時間を無駄使いしてはならない。
あなたの周囲にあるマイナス的な、否定的な紙クズは一掃してしまうことに、努力をしなければならない。
マイナス的人物、マイナス的環境、マイナス的考え方は拒否せよ。自分の考え方を他人に決めてもらってはだめだ。白分で決めよ。
他人にはあなたの望むよりよい人生など理解できないのだ。まず第一に、なすべき事は、否定的、消極的な事を頭からすべて、締め出してしまうことだ。
正しい考え方を身に付けるための、第二の段階は、積極的なものをたくさん取り入れることだ。
心の映写機を遊ばせていては、あなたの人生は何の変化もないものになってしまう。悪い物は完全に締め出し、いい物はどんどん取り入れることだ。
常にあなたの心に積極性の高い物を送り込むように、意識的に努力するのだ。
読む物・聞く物・見る物・考える事・話す事など、すべてにより積極性のある物を自ら求めることが、意識せずに、できるように習慣付けよ。
何故、積極性のある物を求めることが大切なのだろうか。理由は二つある。
第一に、そうする事によって人の善意や、長所が見えてる。そして事態は好転し、将来が明るくなってる。 |
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第二に、自分の富を増やすことができるようになる。 この習慣で、自分自身に力強い性格が養われ、豊かな将来が実現可能となる。だから、今から前向きに、正しい考え方を身に付けることができるように、常に努力せよ。
そうすることにより、自分でも驚くぽど人生は好転してくるのである。 普通の人が1ケ月、あるいは2ケ月とかかる仕事を、たった1週間でやってしまう人がいる。そういう人は、常に前進する本能を持っている。
すなわち、計画性があり、時問を有効に利用し、効果的に努力することを、正しい考え方を習慣付けることによって、身につけている。
こういうことは、あなたにもできるのだ。
朝、起きる、その瞬間から積極的なスタートをきるように決心することだ。
まずは、日記帳を見て今日やるべき事の優先順位を決めよ。 顔を洗い、歯をみがきながらでも考えるのだ。寝ぼけているひまなどないのだ。朝食を済ませて外へ出るときには、もうその日の計画ができあがっている。
その計画どおりに行動していくのだ。行くと決めた訪問先へは、必ず行くのだ。事務所でミーティングをやることが決まっていれば、それも直ちに実行するのだ。
昼食のあともボーツとしないで、日記帳をチェックし、午後の計画を実行せよ。まず、これから1時間の計画を具体的にすると、2時間、あるいは5時間の計画もできる。
それを実行することにより、1日の計画、2日間の計画、1週間の計画もできるようになる。 |
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そして1ケ月、1年、3年、5年、10年という計画ができるようになる。
計画を立て、実行する。疲れたら、別の事に切り換える。こうすることにより、精神は活発になる。この切り換えは、大変効果的である。
一つの目標にすべてを集中し、余計な事は頭から締め出す。それができたら、休む。疲れたら休んで、次の目標に切り換え、その目標に全力を投じる。
「こんなに騒がしい所では仕事にならない。」と言う人もいるが、完全に集中すれば、余計な雑音は完全に消える。これが大切な鍵だ。
成功者はすべて精神を集中させることができた人々だ。
行動の前に精神を集中することは、身心共に疲れるものである。
時にはくつろいで、あなたの心のバッテリーを充電しなけ ればならない。計画を実行しはじめたならば、時には止まってみることも大切である。
一つの目標がまだ達成していない 段階でも、疲れたら行動を変える必要がある。仕事に直接関係のない本を読んだり、食事をしに郊外レストランヘ出かけるのだ。
そして気分を入れ換えたら、次の段階に突き進むのだ。そうすることで、何のトラブルもなく、仕事を滞りなく進めることができるようになる。
その結果、自分が成長したこと、今までより、大きいことでも、できるようになったことが感じられるようになる。
限られた時間の中で、やらねばならないことに完全燃焼するのだ。そして1日が終わったら、自分に正直に今日1日をふり返ってみて、検討するのだ。 |
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よくできたのであれば、自分自身に「すばらしい。」と言い、よくできなかったら、「おまえはだめだったのだ。」と反省しなければならない。
これができると、目標達成の方法を、よりよい方向に向けることができ、自分のするべきことに自信が持てるようになる。
成功者は、明確な計画を造り、自分の人生を正しい考え方を身につけることによって、コントロールしたのである。
自分で決定した行動に完全に集中することができたので、目標達成が可能になったのである。
あなたが成功したいのであれば、精神修養に力を入れなければならない。
今日の自分をよく反省してみることだ。
エキサイトしているか。仕事は完全にやっているか。必要な収入は得たか。すべて希望通りの結果を出しているか。
もしそうでないなら、あなたはもっと精神修養に力を入れなければならない。多くの人々は言葉よりも、実際の行動に注目する。
言うことと行動が違ってくれば、あなたは信用されない。あなたが何を考え、何をやろうとしているかは、目に現われてくる。
自分の感情をうまく表現できるように努力することだ。あなたの感情が考え方を左右するのである。自分の本当の感情を表現することが大切だ。
自分がやろうとしていることが、いい事ではないと感じるとき、あるいは、そのことに誇りが持てないとき、そのような感情をごまかしてはならない。
自分をよく見せようとして、偽りの感情をみせてはならない。本当の感情はすぐ見抜かれるものだ。明確に相手に自分の意志を伝えるには、自分の感情を偽ってはならない。 |
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人間の体の中で最も使われていないのは頭悩である。 この頭悩を正しい考え方によって使えば、だれでも人生を大きく好転させることができるのだ。
この可能性があるのは人間だけだ。あなたの心の習慣を正しく導くことができるのは、あなただけだ。
他人はいろいろと言うことはできるが、他人があなたの考え方を決めることなど、不可能だ。
あなたの将来がすばらしいものになるかどうか、あなたに正しい考え方の習慣が身に付くかどうか、すべてあなた自身にかかっているのだ。 |
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